▲ この記事で作り方を解説する、竹製タコテンヤ仕掛けの完成形

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近年タコを釣るには餌木が一般的ですが、テンヤ仕掛けのタコ釣りも根強く行われています。針が鋼やステンレス製の餌木とは異なり、はりよしのタコ掛け針は鉄製で、この針を用いて作るテンヤ仕掛けは根がかりしても回収率がよく、環境保全の点において多くのメリットがあります。
7年ほど前、はりよしのタコ掛針をご愛用いただき、年間100杯近くのタコを釣り上げるタコ釣り名人のY・Sさまから、タコ釣りに関する指南書をご寄稿いただきました。2014年作成の資料ですが、テンヤ仕掛けのタコ釣りについて今でも十分に参考になる内容です。タコ釣りの釣果向上に、ぜひご活用ください。
〜 横浜南部のタコ釣り 〜
2014/12/2 横浜市在住 Y・S
横浜南部のタコ釣りシーズンと釣れる場所
横浜南部では、6月中旬から12月までタコ釣りを楽しめます。6月中旬〜8月のお盆頃までは、石ガニやイソッペが岸壁で産卵するため、タコが餌を求めて深場から近場に寄ってきます。この時期は、年を越した2kgオーバーを狙える好機です。
その後は500g前後の夏ダコが釣れ、秋口以降は数こそ出ませんが大形が増えます。11月・12月は3kgオーバーも夢ではありません。
🐙 タコがいる場所
タコはテトラ付近、ケーソンのヘチ、根周りに住居を構えます。最近では根も埋まり、時合いになると餌を求めてヘチに寄ってくることが多くなりました。釣行前には、タコテンヤ仕掛けの製作と、餌となる石ガニの確保を済ませておきましょう。
タコ釣りには手釣りと竿釣りがあります。どちらもテンヤを海底につけた状態で小突き、テンヤを躍らせます。タコがいれば必ずテンヤに覆いかぶさるので、テンヤに負荷がかかった瞬間に強くあわせて引き上げれば、タコをゲットできます。
タコ釣りは根掛かりがつきもの。ロスも多いので、テンヤは多めに作っておく必要があります。テンヤ仕掛けと釣り方は名人に教わり、自分流にアレンジするのがおすすめです。私は西柴在住の吉田名人にテンヤ仕掛けの製作と釣り方を教わりました。吉田名人のタコテンヤはすべて手作り。私には難しかったので、簡単に作れるようアレンジしています。
竹製タコテンヤ仕掛けの作り方
タコテンヤは各自のノウハウがあり、形もさまざまです。ここでは吉田名人のテンヤを私流にアレンジしたものを紹介します。材料は、下の写真の竹の船(餌付け部)・タコ掛け針・タコ糸・亀の甲錘・針金・ハリス・ヨリモドシです。
タコテンヤ仕掛けの材料一式
2-1. 材料
① 竹の船(餌付け部)
竹は、1月第2土曜日頃に海の公園で行われる「どんど焼き」の当日早朝、門松の竹をいただいてきます。なるべく肉厚のものが良いです。節を外して150〜170mmに切断し、円筒を鉈で8等分にカット。両側を鉋がけし、タコ掛け針側よりハリス側の幅をわずかに小さくテーパーを付けます。タコ掛け針取付け部は上面より下面が狭い逆台形に。錘穴(Φ3.2)2か所、ハリス穴(Φ3.8)1か所をドリルで開けたら、乾燥させて水分を抜きます。
| 竹の船の寸法 |
幅 約20mm × 長さ 150〜170mm |
| 錘穴 |
Φ3.2 × 2か所 |
| ハリス穴 |
Φ3.8 × 1か所 |
② タコ掛け針
自転車のスポークやステンレス棒を曲げて加工してもよいのですが、作業に時間がかかるので市販のタコ掛け針を使用しています。私は(株)はりよし製(兵庫県小野市池田町)「タコ掛け針 大・太地 50本入」を使用しています。
はりよし製 タコ掛け針(大・太地)

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③ タコ糸 / ④ 亀の甲錘・針金 / ⑤ ハリス・ヨリモドシ
| タコ糸 |
タコ掛け針の固定用。1.5mm径が目安 |
| 亀の甲錘 |
市販の中通し亀の子錘 12号(底立が取れれば軽いほうがベター) |
| 針金 |
軟鋼 Φ1.6mm。錘の穴に通し、金槌で叩いて平たくして取り付け |
| ハリス |
ポリエチレン撚糸 Φ2.0mm がおすすめ |
| ヨリモドシ |
タル型6号ぐらい |
2-2. タコテンヤの製作手順
STEP 1|タコ掛け針の取り付け
竹の船の側面に、タコ掛け針をタコ糸で取り付けます。針の取付け部は平打ちになっているので、そこをタコ糸で丁寧に巻き付ければ完了。竹は海中で水を吸って膨らみ、糸は海水で縮んで針を締め付けます。これは先人の知恵で、3kgオーバーのタコでも針は抜けません。
STEP 2|ハリスの取り付け
ポリエチレン撚糸 Φ2.0mm を使用。竹の船の下側に瘤を作って抜けない状態にし、上にハリスを通して10〜15cmのところにヨリモドシを取り付けます。
STEP 3|亀の甲錘の取り付け
中通し亀の子錘に針金を通し、金槌で叩いて平らにします。錘は竹の船の下側に取り付け、ペンチで動かないよう締め付けます。
仕上がったタコテンヤ
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タコ釣りには、手釣りと竿釣りがあります。
| 手釣り |
茶渋テトロン24号を糸巻に50m巻き、先糸ナイロン18号を2m付ければ十分 |
| 竿釣り |
錘負荷100〜150号の2.7mイカ竿+大形リールに、ナイロン20号またはPE10号を50m巻く |
長竿の場合、タコが掛かったらリールを巻いて竿で抜き上げます。大形が掛かると、頑丈なリールでないと巻くのが大変です。私は錘負荷100〜150号の1.8m鯵ビシ竿・2.4mやりいか竿を使い、リールはダイワ3000番以上/シマノ5000番以上にPE8号を50m巻いています。先糸を付けなくても仕掛けの取付け部で切れてくれます。
💡 根掛かり対策:根掛かりしたときに仕掛けの取付け部から切れるよう、道糸の強さを決めておきましょう。切断用に40mm角×300mm長のタヌキを用意すると便利です。
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タコ釣りの餌(イシ蟹の確保)
タコは甲殻類(えび・カニ)が好物のようです。さんま・鯵・サバ・コノシロなどの青魚、鳥の皮、豚の脂身でも釣れますが、中でも餌もちのよいカニ(イシ蟹)が私のおすすめです。
6月中旬〜8月中旬頃、イシ蟹やイソッペは産卵で岸壁に上がってきます。波が静かで海水が澄んでいるときは蟹がよく見え、タモでたくさん採れます。海の公園のBBQ場前の岸壁がねらい目で、6mのタモが必要です。採った蟹は一つずつラップにくるんで冷凍し、100匹以上確保しておくとよいでしょう。
餌に使うイシ蟹
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タコテンヤへのイシ蟹の取り付け方
タコテンヤの錘を利用し、テンヤ上面にイシ蟹を直角に乗せます。蟹の腹を上に、爪をタコ掛け針のある前方向に向け、タコ糸でテンヤに数回巻きます。さらに蟹の背中とテンヤの間で3回ほど締め付けるように巻いて結びます。爪や足はぶらぶらした状態でOKです。
釣船ではテンヤと平行に付け、爪や足を固定します。根掛かりでロスしない限り、1匹の蟹で一日もちます。タコがいればどちらの付け方でも乗ります。
💡 他の餌でも同様ですが、最後の締め付けを確実に行わないと、途中で餌が外れてしまいます。
蟹の取り付け方
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タコの釣り方(投げ釣り・ヘチ釣り)
タコの釣り方は、糸巻きを使う手釣りと、竿にリールを付けた竿釣りに分けられます。初心者には、確実に合わせができる竿釣りがおすすめです。竿釣りにも、長竿で抜き上げる方法と、短竿で合わせた後に糸を手繰る方法があります。
6-1. 岸壁の上から投げて釣る
釣り場は福浦岸壁ですが、釣り人が多いので空いている所を見つけて準備します。ケーソンに水が被っている時に、周りに気を付けて投げ込みます。手前5mほどは根が荒く、その先は砂地です。テンヤが着底したら糸ふけを取り、小突きながら手前に寄せます。このときテンヤは必ず底について移動していないとタコは乗りません。流れの方向を見極め、速い場合は流れに沿ってテンヤを引きます。根掛かりしたら、流れと逆方向に引くと外れます。
タコが乗ると、移動中のテンヤに負荷がかかります。タコは蟹を抱いている間は絶対に離しません。騙し騙しテンヤを最短になる位置に寄せ、態勢を整えて強く合わせて引き上げます。合わせが弱いと針掛かりが悪く、水面で外れてしまいます。岸壁にタコの足が付くと取り込みが難しくなるので、しばらく糸を張って少し緩め、水のほうへ動いた瞬間に外します。投げ釣りは多少の経験が必要で、テンヤのロスもかなり出ます。
6-2. 干潮時のヘチ釣り(おすすめ)
⚠ 安全装備は必須:ケーソンは、北の風が吹いている時は波がかぶるため注意しないと危険です。また滑る所があるので、スパイク付長靴とライフジャケットの装備は必須条件です。
干潮前後3時間ほどは、ケーソンのヘチ釣りが楽しめます。テンヤを底まで落とし、竿で小突きながらテンヤを躍らせ、その動作を繰り返して移動しながら探ります。ヘチの下は根がありゴツゴツしていますが、テンヤは必ず底に付いていないとタコは乗りません。潮が緩い時は逆らって移動しても底立ちが取れますが、速い時はテンヤが浮くので潮と同じ方向に移動します。
タコが乗ると、移動中のテンヤが動かなくなります。根掛かりとの区別は、移動方向と反対に戻って確認します。根掛かりはゴツゴツ感、タコの場合はテンヤの真上で軽く竿をあおるとグニュッとした重量が手元に伝わります。乗っていると確認できたら、竿をタコの真上に持っていき糸ふけを取り、最短になるよう態勢を整えます。竿先が水面に入るくらいにして強く合わせ、合わせ終わりの竿先が自分の頭より後ろにくるように。素早く道糸を手繰り、タコを水面から出します。ケーソンの角に足を付けないよう注意してください。
💡 タコが外れても、その場所から左右5mほどを素早く探ると再び乗ることが多いです。沖へ逃げた場合は無理ですが、乗っては逃げ、8回目でゲットした人もいます。2014年は東京湾のタコが湧いたこともあり、3kgオーバーを頭に98杯(例年の3倍)釣ることができました。タコ釣りは根気のある人に釣れます。タコが居れば必ずテンヤに抱き付きます。運が95%、技が5%の釣りです。

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釣れた後の処理・タコの茹で方
7-1. タコが釣れたとき
釣り上げたタコは網の袋に入れます。私は金沢文庫のユニオンセンター2階の釣具ポイントで販売していたアサリ入れネット(網目が小さくシームレスの円筒・長さ500mm)を使用。円筒上部に開閉の紐があり、その5cm下に直径4mm・長さ400mmのタコ糸を200mm均等になるよう網の表側に取り付けています。このネットを裏返しに畳んでポケットに入れておきます。ネットは2セットあるとよく、海中で生かしておくためのナイロンロープも用意します。
💡 重要:釣り上げたタコは、歩道・土・砂の上には絶対に置かないでください。吸盤に付いてなかなか取れなくなります。岸壁の上では芝の上に、ケーソンの上ならどこでも大丈夫です。
素手で掴むと腕に絡みつかれて大変なので、裏返しに畳んだネットの内側に手を入れ、タコの首根っこ(足の上部・目のあたり)を抑え、腕からネットを下ろします。ネットを揺さぶってタコが底に収まったら紐を締め、5cm下のタコ糸を2〜3回巻いて結びます。タコの入ったネットにナイロンロープを取り付けて海中に沈め、生かしておきます。ナイロンロープは、ケーソンのフックや自転車の荷台などに外れないよう結んでおきます。
7-2. タコの茹で方
家に持ち帰ったタコは、頭を裏返してキッチン鋏で内臓を切ります。スミイカと違い墨袋も小さく簡単です。内臓を取り外したら頭を戻し、塩もみしてぬめりを取ります(3回以上しっかりしごかないと臭みが残ります)。大きな鍋にお湯を沸かし、タコの足先5cmほどを入れて足先がくるくる巻いてきたら全体を入れます。塩もみしてふにゃっとしたタコがふっくらする30秒が目安。ふっくらしたら冷水に取ります。ほとんど生状態なので、そのまま食べても冷凍保存してもOKです。
大きいタコは、冷凍したものを半解凍し1〜2mmにスライスして刺身・しゃぶしゃぶ・酢の物に。硬いと感じたら沸騰したお湯をかけると軟らかく感じます。河豚と同じで厚く切ると歯が立ちません。小さいタコはぶつ切りで生でも、里芋や大根と煮ても美味。タコ飯もおすすめです。


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おわりに|タコ釣りの魅力
タコ釣りはテンヤ仕掛けを多くロスし、簡単には釣れないため特定のファンしかいません。しかし、仕掛けを自分で作り、餌の蟹も自分で調達し、手と頭を働かせるので高齢者にはもってこいです。探り釣りなので足を使い、仕掛けを小突くので体も動かします。1〜2時間も釣りをすればラジオ体操の代わりに。夏場は熱中症に注意し、給水を十分にとってください。
タコが乗った瞬間、水面に姿を見せた時は感動します。遊漁船に乗らなくても、それ以上の釣果が出ることも。ぜひ一度、安全第一でタコ釣りに挑戦してみてください。
追記|今年最後の99杯目
今年は餌の蟹も無くなり、タコ釣りを終了しようと思っていました。しかし連日大形が釣れているとのことで、12月23日午後、魚屋で小さい鯵を購入してヘリポート近くの岸壁へ。鯵をテンヤに付けて同じ場所で1時間ほど投げては誘っていると、テンヤに荷がかかりタコが乗りました。騙し騙し手前に寄せて強く合わせ、糸を手繰ると大きなタコが水面に。がっちり針掛かりしていたので壁に付かれることもなくゲット。家で計測したら3kgを少し超える、今年最後に釣った99杯目のタコでした。



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